空き家リフォームするメリットとは?費用相場や使える補助金を解説

空き家の増加が社会問題となる中、その活用方法の一つとして注目されているのがリフォームです。空き家をリフォームすることで、資産価値の向上や地域活性化につなげることができます。この記事では、空き家リフォームのメリットや費用相場、活用できる補助金などについて解説します。

 

空き家リフォームのメリット

空き家をリフォームすることには、様々なメリットがあります。ここでは、資産価値の向上、リスク回避、地域貢献の3つの観点から、空き家リフォームのメリットを詳しく見ていきましょう。

 

資産価値の向上と有効活用

空き家をそのまま放置していては、建物の劣化が進み、資産価値が下がってしまいます。一方、リフォームを行うことで建物の性能や機能を向上させ、不動産としての価値を高めることができます。リフォーム後は自ら住むだけでなく、賃貸に出したり売却したりと、様々な活用方法が可能です。

 

倒壊や犯罪のリスク回避

空き家を放置しておくと、建物の老朽化により倒壊の危険性が高まります。また、空き家は不法侵入や放火、不法投棄などの犯罪の温床にもなりやすいです。リフォームを行い、建物を適切に管理することで、こうしたリスクを回避できます。特に、老朽化した空き家は地震などの災害時に倒壊し、周辺に被害を及ぼす恐れがあるため、早めの対策が求められます。

 

地域の景観改善と活性化への貢献

空き家が増えると、地域の景観を損ねるだけでなく、治安の悪化やコミュニティの衰退につながります。空き家をリフォームして再活用することは、地域の景観改善や活性化に貢献できます。例えば、古民家を宿泊施設や交流拠点としてリノベーションすれば、観光客の誘致や地域住民の交流促進が期待できます。

 

空き家リフォームの費用相場

空き家リフォームを検討する上で、気になるのが費用の問題です。リフォームの費用は、物件の状態や工事内容によって大きく異なります。ここでは、リフォーム箇所別の費用目安や、費用に影響する要因について解説します。

 

リフォーム箇所別の費用目安

リフォームの費用は工事の内容や規模によって異なります。

キッチン 30~150万円
バスルーム 50~150万円
トイレ 30~50万円
洗面所 10~50万円
リビング 20~150万円
外壁塗装 50~250万円
屋根葺き替え 100~300万円

ただし、これはあくまで目安であり、使用する材料や設備のグレード、工事の難易度などによって、費用は大きく変動します。

 

築年数や損傷状況による費用の違い

リフォーム費用は、建物の築年数や損傷状況によっても変わってきます。築年数が古く、傷みが進んでいる建物ほど、工事にかかる費用は高くなる傾向があります。特に、基礎や構造部分に問題がある場合は、大規模な工事が必要となり、費用も高額になります。

 

また、水回りや電気配線などの設備は、築年数が経つほど老朽化が進みます。場合によっては、設備の全面的な交換が必要になることもあるでしょう。リフォーム前に、建物の状態を詳しく診断し、必要な工事の内容と費用を見積もることが大切です。

 

リフォーム費用を抑える工夫

リフォームには多額の費用がかかるため、できるだけ費用を抑えたいと考える方も多いでしょう。費用を抑える工夫としては、以下のような方法があります。

  • 優先順位をつけて、必要な工事から順に行う
  • 既存の設備や材料を活かし、交換箇所を最小限に抑える
  • 自分でできる工事は DIY で行う
  • 複数の業者から見積もりを取り、適正価格を見極める

ただし、安全面や品質を犠牲にしてまで費用を抑えるのは避けましょう。リフォームは長期的な投資であり、適切な予算を確保することが重要です。

 

空き家リフォームに活用できる補助金・助成金

空き家のリフォームには、国や自治体の補助金・助成金を活用できる場合があります。補助金を上手に利用することで、リフォーム費用の負担を軽減できるでしょう。ここでは、主な補助金の概要と申請手続きの流れを解説します。

 

国の補助金・交付金制度

国土交通省では、空き家の再生や活用を促進するため、様々な補助金・交付金制度を設けています。代表的なものとして、以下のような制度があります。

空き家再生等推進事業(除却事業タイプ) 老朽化した空き家の除却費用の一部を補助
空き家再生等推進事業(活用事業タイプ) 空き家を宿泊施設や交流施設などに活用する際の改修費用を補助
住宅市場環境整備推進事業 空き家の実態調査や所有者特定などに要する費用を補助

これらの制度は、市町村が主体となって実施するものが多く、補助金の交付を受けるには、一定の要件を満たす必要があります

 

自治体の助成金・補助金制度

空き家対策に力を入れる自治体では、独自の助成金・補助金制度を設けているところもあります。例えば、以下のような制度があります。

空き家リフォーム補助金 空き家のリフォーム費用の一部を補助
空き家バンク登録奨励金 空き家バンクに物件を登録した所有者に奨励金を交付
空き家活用事業補助金 空き家を地域の交流拠点やシェアオフィスなどに活用する際の改修費用を補助

自治体の補助金制度は、地域によって内容が異なるため、詳しくは物件のある自治体に問い合わせることをおすすめします。

 

申請手続きの流れと注意点

補助金の申請手続きは、制度によって異なりますが、一般的な流れは以下の通りです。

  1. 補助金の要件や内容を確認する
  2. 必要書類を揃え、申請書を提出する
  3. 審査を受け、交付決定を待つ
  4. 工事を実施し、完了報告書を提出する
  5. 補助金の交付を受ける

申請にあたっては、以下のような点に注意しましょう。

 

  • 申請期限や提出書類などの要件を満たしているか確認する
  • 工事着工前に申請手続きを行う(着工後の申請は認められないことが多い)
  • 虚偽の申請や不正受給は厳禁(罰則の対象となることも)

補助金を活用する際は、手続きを慎重に進め、適正に利用することが大切です。

 

空き家リフォームの注意点

空き家リフォームを成功させるには、いくつかの注意点があります。ここでは、物件の条件や活用方法、施工業者選びの観点から、リフォームを行う際の注意点を解説します。

 

物件の立地や状態によるリフォームの限界

空き家リフォームを検討する際は、物件の立地や状態を十分に確認することが大切です。例えば、山間部や過疎地など、立地条件が悪い物件は、リフォーム後の活用が難しいケースがあります。

 

また、老朽化が進み、基礎や構造部分に大きな損傷がある物件は、リフォームに多額の費用がかかる可能性があります。リフォームの可否や費用を判断するには、建築の専門家による診断が不可欠です。物件の購入前や引き継ぎ前に、建物の状態をしっかりと確認しておきましょう。

 

リフォーム後の活用方法と収支の見通し

リフォームを行う際は、リフォーム後の活用方法と収支の見通しを立てておく必要があります。例えば、賃貸物件として活用する場合は、周辺相場や需要を調査し、適切な賃料設定を行うことが重要です。

 

また、宿泊施設や飲食店など、特定の用途で活用する場合は、ターゲット層や競合施設の状況を分析し、事業の採算性を検討しておくことが欠かせません。リフォーム費用と予想収入のバランスを考え、長期的な視点で収支計画を立てることが成功のカギとなります。専門家の意見を参考にしながら、慎重に検討を進めましょう。

 

信頼できる施工業者選びの重要性

リフォームの品質や費用は、施工業者の腕に大きく左右されます。信頼できる施工業者を選ぶことは、リフォームを成功させる上で非常に重要です。業者選びのポイントとしては、以下のような点が挙げられます。

  • 実績や専門性を備えているか
  • 適切な保険に加入しているか
  • 明確な契約書を交わすことができるか
  • アフターサービスの体制が整っているか 

複数の業者から見積もりを取り、提案内容や費用を比較することも大切です。業者の施工事例や口コミ評価なども参考にしながら、慎重に選定しましょう。

 

まとめ

空き家リフォームには、資産価値の向上やリスク回避、地域貢献など、様々なメリットがあります。一方で、費用や手続きの面で課題もあるのが事実です。リフォームを成功させるには、物件の状態や活用方法、費用対効果などを総合的に判断することが重要です。

国や自治体の補助金・助成金制度を上手に活用することで、リフォーム費用の負担を軽減できる可能性があります。また、建築の専門家や信頼できる施工業者と連携し、適切な計画を立てることが成功の鍵となるでしょう。

空き家は地域の大切な資源です。お持ちの空き家のリフォームをお考えの方は、ぜひ池戸建設へお気軽にご相談ください。