空き家を売りたい!成功する売却方法と注意点を解説

空き家の所有者にとって、その管理や維持は大きな負担となることがあります。固定資産税の支払いや、遠方からの定期的な見回りなど、様々な課題に直面することでしょう。そこで多くの方が検討するのが空き家の売却です。

しかし、売却の手順や注意点について不安を抱える方も少なくありません。この記事では、空き家売却の方法や費用、価値を最大化するためのポイント、注意点について詳しく解説します。

 

空き家売却の3つの方法

空き家を売却する際には、主に3つの方法があります。それぞれの特徴を理解し、自身の状況に合った最適な方法を選ぶことが重要です。ここでは、そのままの状態で売却する方法、リフォームして売却する方法、そして解体して更地で売却する方法について詳しく見ていきましょう。

 

そのままの状態で売却

空き家をそのままの状態で売却する方法は、最も手間がかからず、追加の費用も発生しにくい選択肢です。この方法は、建物の状態が比較的良好で、すぐに住める状態にある場合に適しています。

そのまま売却するメリットは、リフォームや解体の費用がかからないことです。また、買主が自分の好みでリフォームできるため、幅広い層に訴求できる可能性があります。一方、デメリットとしては、建物の状態によっては売却価格が低くなる可能性がある点です。また、建物の不具合や欠陥が見つかった場合、売主が責任を負うことも懸念されます。

 

リフォームして売却

空き家をリフォームしてから売却する方法は、物件の価値を高め、より高額での売却を目指す場合に選ばれます。特に、築年数が比較的浅く、構造上の問題がない物件に適しています。

リフォームして売却するメリットは、物件の魅力が向上し、売却価格が上がる可能性が高いことです。また、買主の購入意欲を刺激し、早期売却につながる可能性もあります。デメリットとしては、リフォーム費用が必要となることが挙げられます。リフォームの内容によっては買主の好みと合わない可能性もあるため、計画は慎重に立てましょう。

 

解体して更地で売却

空き家を解体して更地の状態で売却する方法は、建物の老朽化が進んでいる場合や土地の価値が高い地域で多く選択されます。更地で売却するメリットは、土地の有効活用の可能性が広がるため、より多くの買主候補を集められる可能性がある点です。

また、建物の維持管理や固定資産税の負担から解放されます。デメリットとしては、解体費用が必要となることが挙げられます。また、更地にすることで住宅用地の固定資産税の軽減措置が適用されなくなる可能性があるため、税金面での注意が必要です。

 

空き家売却にかかる費用と税金

空き家を売却する際には、様々な費用や税金が発生します。これらを事前に把握し、適切に計画を立てることが重要です。ここでは、主な費用と税金について解説します。

 

仲介手数料

不動産会社に売却を依頼する場合、仲介手数料が発生します。この手数料は、宅地建物取引業法で上限が定められており、一般的に売却価格の3%+6万円(税別)が上限となっています。

例えば、2,000万円で売却した場合、仲介手数料の上限は66万円(税別)となります。ただし、不動産会社によっては割引を行っている場合もあるため、複数の会社に相見積もりを取ることをおすすめします。

 

譲渡所得税

空き家を売却して利益が出た場合、譲渡所得税が課税されます。譲渡所得税は、売却価格から取得費と譲渡費用を差し引いた金額に対して課税されます。税率は、所有期間が5年を超える場合(長期譲渡所得)と5年以下の場合(短期譲渡所得)で異なります。

長期譲渡所得の場合は20.315%(所得税15%、住民税5%、復興特別所得税0.315%)、短期譲渡所得の場合は39.63%(所得税30%、住民税9%、復興特別所得税0.63%)となります。ただし、相続した空き家を売却する場合、一定の条件を満たせば「相続した空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除」を利用できる可能性があります。

 

その他の費用

空き家を売却する際には、上記以外にも様々な費用が発生する可能性があります。例えば、不動産登記にかかる費用、測量費用、境界確定費用などが挙げられます。また、リフォームや解体を行う場合は、それらの工事費用も必要です。これらの費用は物件の状況や売却方法によって大きく異なるため、事前に専門家に相談し、詳細な見積もりを取ることをおすすめします。

 

空き家の価値を最大化する方法

空き家を売却する際には、できるだけ高値で売却したいものです。ここでは、空き家の価値を最大化するための方法について解説します。適切な売却タイミングの選択、物件の魅力を引き出す工夫、そして適正価格の設定が重要なポイントとなります。

 

適切な売却タイミングの選択

空き家の売却タイミングは、市場の動向や季節、地域の特性などによって影響を受けます。一般的に、春から夏にかけては不動産取引が活発になる傾向があります。これは、新学期や転勤シーズンと重なるためです。

また、地域の開発計画や交通インフラの整備など、周辺環境の変化によっても売却のタイミングが左右されることがあります。地域の不動産市場の動向を把握し、最適なタイミングを見極めることが重要です。

 

物件の魅力を引き出す工夫

空き家の魅力を最大限に引き出すことで、より高値での売却が期待できます。まずは、家の内外をきれいに掃除し、不要な物を整理整頓することから始めましょう。これだけでも印象が大きく変わります。

また、簡単なリペアや補修を行うことで、物件の印象が良くなることがあります。例えば、壁紙の張り替え、床のワックスがけ、庭の手入れなどが挙げられます。ただし、大規模なリフォームは費用対効果を慎重に検討しなければいけません。

 

適正価格の設定

適正な価格設定は、空き家を成功裏に売却するための重要な要素です。価格が高すぎると買主が見つからず、逆に低すぎると損をする可能性があります。適正価格を決めるためには、周辺の類似物件の売却実績や地域の不動産市場の動向を参考にすることが大切です。

また、複数の不動産会社から査定を受け、それらを比較検討するのも良いでしょう。ただし、最初から最低価格で提示するのではなく、ある程度の値下げ交渉の余地を残しておくことも重要です。

 

空き家売却時の注意点

空き家を売却する際には、いくつかの重要な注意点があります。これらを事前に把握し、適切に対処することで、スムーズな売却が可能です。ここでは、名義変更の確認、売却期間の見通し、そして特定空家等への対応について詳しく解説します。

 

名義変更の確認

空き家を売却する前に、必ず所有者名義が正しいかどうかを確認しましょう。特に相続した空き家の場合、名義変更が行われていないケースがあります。名義変更が済んでいない場合、売却手続きを進めることができません。

また、2024年4月1日からは、相続した不動産の名義変更が義務化されており、3年以内に登記申請をしない場合、10万円以下の過料が課される可能性があります。名義変更の確認は、法務局で登記事項証明書を取得することで行えます。もしも名義変更が必要な場合は、司法書士に相談することで、スムーズに手続きを進められます。

 

売却期間の見通し

空き家の売却には、一般的な不動産売却よりも時間がかかる可能性があります。これは、空き家特有の問題(老朽化、設備の劣化など)や、立地条件によって買主が限定される場合があるためです。国土交通省の調査によると、一戸建ての売却にかかる平均期間は約5.5ヶ月となっています。

しかし、空き家の場合はこれよりも長くなる可能性があることを念頭に置いておかなければいけません。売却期間が長引く可能性を考慮し、余裕を持ったスケジュールを立てることが重要です。また、売却が長引くことで固定資産税などの維持費用が継続して発生することも忘れずに計画を立てましょう。

 

特定空家等への対応

長期間放置された空き家は、「特定空家等」に指定される可能性があります。特定空家等とは、そのまま放置すれば倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態や、著しく衛生上有害となるおそれのある状態などの空家等を指します。特定空家等に指定されると、行政から改善命令が出されたり、最悪の場合は強制的に解体される可能性もあります。

また、固定資産税の住宅用地特例が適用されなくなり、税負担が大幅に増加する可能性があります。空き家を長期間放置している場合は、特定空家等に指定されるリスクを考慮し、早めに売却や活用の方針を決めることが重要です。

 

まとめ

空き家を売却する際は、自身の状況に合った売却方法を選択し、費用や税金について事前に十分理解し、計画を立てることが重要です。また、物件の魅力を最大限に引き出し、適切な価格設定を行うことで、より良い条件での売却が期待できます。名義変更や特定空家等の問題には特に注意を払い、適切に対処することが必要です。さらに、利用可能な税制優遇措置や補助金制度を活用することで、より有利な条件で売却を進めることができるでしょう。空き家の売却は簡単なプロセスではありませんが、適切な準備と専門家のサポートがあれば、成功裏に進めることができます。

池戸建設では、空き家管理や売買、活用のご提案など、空き家に関する様々なサービスを提供しています。空き家でお困りの方は、お気軽にご相談ください。私たちが、あなたの大切な資産を適切に活用し、売却するお手伝いをさせていただきます。