空き家になった後もNHK受信料の請求書が届くため、これは支払わなければいけないのだろうか、と疑問を持つ方も多いでしょう。
ご両親が亡くなったり、施設に入所したりして「急に空き家になった」という状況では、NHK受信料のことまで考える余裕がないケースも多いかもしれません。
しかし、毎月固定費としてかかってくる費用は長い期間で見ると決して安い金額ではないため、負担が大きくなりがちです。NHK受信料は何かとトラブルになるケースも多いため、よく理解した上での適切な対応が求められます。
この記事では、空き家でもNHK受信料の支払いの必要性や解約する場合の方法について解説します。ぜひ参考にしてください。
NHK受信料の概要
日本の放送法によれば、テレビやパソコンなどNHKの放送を受信可能な設備を所有している場合、NHKとの受信契約を結ぶ義務があります。このルールは居住状況や日常生活の有無に関わらず適用され、一度契約すると解約手続きを行わない限り受信料の請求が継続されます。
建物の所有者が亡くなって引き落としでの契約ができなくなった場合でも、NHKから受信料の督促が届くケースもあるようです。したがって、空き家になった際には適切な手続きを行い、契約を解約する必要があります。
NHKの受信契約は世帯ごと
NHKの受信契約は世帯ごとに行われます。つまり、同じ世帯内であればテレビが何台あったとしても、必須契約数は1つです。ただし、一世帯が複数の住居にテレビを設置した場合や別荘にテレビがある場合には、本宅とは別にNHKの受信契約が必要となります。
そもそもNHK受信料の支払いは義務なのか
日本では放送法に基づき、NHK受信料の支払いが義務化されています。これには、実際に放送を視聴しているかどうかは関係なく、受信機を所有しているだけで支払い義務が生じます。ただし、受信料の支払いを怠った場合の直接的な罰則は設けられていません。
NHK受信料の支払いは、経済的に困難な状況にある個人や集団に関しては、受信料の免除や減免措置が設けられています。例えば、生活保護受給者や社会福祉施設に入所している方、障害を持つ方、奨学金を受けている学生などが該当します。これらの制度は、社会の公平性を保ちつつ、公共放送の普及を促進する役割を果たしています。
空き家でもNHK受信料って払うべき?
誰も住んでいない空き家に請求書が届くケースは、決して珍しくはありません。ここで気になるのは「NHK受信料を支払うべきなのか」ということでしょう。この章では以下のケースについて詳しく解説します。
- NHK受信料を支払うべき場合
- NHK受信料を支払わなくて済む場合
NHK受信料を支払うべき場合
空き家であってもテレビが視聴できる状況ならば、原則支払いが必要です。空き家に誰も住まなくなった場合でも、契約者が生きていて解約手続きを怠っている場合には支払いが求められます。つまり、誰も住んでいないにも関わらず解約を忘れたまま放置すると、毎月の不要な出費が増える可能性があるのです。そのため、空き家になった場合には他の手続きと同時にNHK受信料の清算と解約手続きを行いましょう。
NHK受信料を支払わなくて済む場合
空き家にテレビがない場合やケーブルテレビに加入している場合は、支払いは不要です。これを証明するために、NHK職員にテレビの有無を確認してもらうか、ケーブルテレビの利用証明書を提出するとスムーズに話が進められます。
また、契約者が死亡している場合は当然ながら支払い義務はないため、契約は無効となります。親から子への契約の引き継ぎはありませんので、空き家を相続した子どもが支払う必要はありません。
多くはありませんが、NHK職員の強引な勧誘によって契約した場合や空き家を解体・賃貸・売却した場合も支払いの必要はありません。ただし、賃貸物件として借主さんAが利用する際には、借主さんAが別途契約をする必要があります。
空き家になった物件のNHK契約を解約する方法
空き家になったらNHK契約を解約しましょう。そうすることで、毎月の維持費を抑えられます。解約方法としては、まずNHKの窓口に連絡して解約に必要な書類を請求します。手続きをスムーズに進めるために、事前にお客様番号を準備することが望ましいでしょう。
次に、NHKから送付された解約届けに必要事項を記入し、書類を完成させます。場合によっては電話連絡のみで解約できるケースもありますが、その条件はNHK側で定められているため、こちらから指定することはできません。
NHKの解約手続きに関するイメージは以前とは異なります。最近では顧客対応の改善が進んでおり、手続きが煩雑だったり顧客が軽視されるといった事態は減少傾向にあります。
【シーン別】対処法
ここからはシーン別での対処法について解説します。
- 支払期限が過ぎた請求書がある場合
- 施設入居後も口座から受信料が引き落とされ続けている場合
- 亡くなった人の名前で請求された場合
- 空き家を取り壊すことが決まった場合
順に解説します。
支払期限が過ぎた請求書がある場合
空き家の管理を他者に委託している場合、支払期限を過ぎた請求書が届く可能性があります。この際、請求書がいつの時点の状態を基にしているかを確認しましょう。
空き家になる前と後の日々が含まれている場合、NHKに対して「空き家になって以降の受信料は支払わないが、空き家になる前の分は支払う」という提案をするのが得策です。HKにとって、一部でも納得して支払ってもらえる方が望ましいため、この提案は受け入れてもらいやすいでしょう。トータルの支払い金額を減らせるかもしれません。
施設入居後も口座から受信料が引き落とされ続けている場合
空き家になった後も、NHK受信料が継続して引き落とされているケースはよくあります。親族としては理解できない状況ですが、NHKは自発的な申し出がない限り契約の状態を継続し請求します。
このような場合には、まず親の銀行口座を確認し、支払いが行われているかを確認してください。もし、支払われている場合にはNHKに相談して実情に合った契約の見直しを依頼しましょう。解約したい場合は空き家にあるアンテナやテレビを全て撤去し、NHKを受信できない状態を証明できるようにしておくと確実に解約できます。
亡くなった人の名前で請求された場合
請求書や督促状が亡くなった親の名前で送られてきている場合、解約するためには名義人の変更を行う必要があります。この際の名義は、空き家となった家以外に住んでいる自身に変更するのが一般的ですが、既に自分の家で契約をしている場合にはその旨を伝えましょう。
そして、「空き家では誰もNHKを見られる状態になっていない」ことをハッキリ伝えます。NHK受信料の支払いは、居住状況にかかわらず、受信設備があるかどうかによって決まります。そのため、空き家から受信設備を撤去してから、空き家にかかるNHK受信料契約の解約手続きをするのが、最も適切な方法です。
空き家を取り壊すことが決まった場合
空き家を取り壊す際には取り壊し予定日を確認し、その日を基準にNHKのサービスセンターにて解約手続きを行うか、NHKのウェブサイトから解約手続きを行いましょう。インターネットを利用して解約手続きを行った場合、現状を確認するためにNHK職員が実際に現地を訪問することもありますが、取り壊しの契約書などを提示すれば問題ありません。家の解体が完了していなくても、契約が進行していることを示せれば解約は可能です。
まとめ
NHK受信料は、契約者が亡くなることで契約が無効になります。NHKの受信料請求はテレビやアンテナの設置が条件であるため、職員の訪問によって判断されることが一般的です。
事前にNHK受信料に関する支払いの必要性や不要なケースを把握しておくことで、トラブルを未然に防げます。空き家になる前にこれらの知識を身につけておきましょう。
私たち池戸建設は、お客様の空き家を適切に管理するだけでなく、さまざまなリスクを軽減するためのお手伝いをしています。空き家に関するお困り事がございましたら、お気軽にご相談ください。ご相談は無料です。